腸腰筋は、大腿(太もも)の最も強力な屈筋であり、歩行、階段を上る時に大腿を挙上げし、反対の作用をもつ大腿伸筋である大殿筋と共に、関節を固定して体を動かす時、姿勢の安定をとる筋肉であり、少しの動きで大きな力を発揮し、最も効率よく体を動かすことのできる筋肉でほとんどの人、競技者でもこの筋を上手に使えている人はいません。



この腸腰筋は大腰筋、小腰筋(大腰筋と同じ走行の細い筋肉でない人もいる)腸骨筋の総称です。腸骨筋は骨盤の上部(腸骨窩)から始まって大腿骨の小転子(太もものつけ根あたり)に停止する単関節筋で、大腿骨を引き上げるときに働きます。大腰筋は第12胸椎と第1-4腰椎椎体という広い範囲から始まり、途中で腸骨筋といっしょになって大腿骨の小転子に付着する複関節筋です。



腸骨筋は大腿骨を引き上げるという単純な働きであるのに対し、大腰筋は股関節を曲げる、骨盤を立てる、腰椎を腹側に引いて脊柱の前湾、正しいS字型湾曲を維持するという重要な働きをする筋肉です。



腸腰筋は身体の最深部にあるインナーマッスルであり、大腿を挙上して股関節を屈曲させるのに表面のアウターマッスルである大腿四頭筋、腹直筋などが使われますが、腸腰筋のようなインナーマッスルが働くことによりアウターマッスルの働きをサポートして素早い動きや細かい動きを行うことができます。



そのため超一流と呼ばれるスポーツ選手や武道家、ダンサー、舞踏家はこの筋肉がうまく使えている人が多く、動きが安定しておりバランスの乱れもありません。彼等は別にこの筋肉を意識して動いている訳ではないのですが反復練習のうちに自然と効率よく体を動

かす術を身につけ、その結果腸腰筋がうまく使えているということで正に達人の筋肉と言えるのではないかと思います。



腸腰筋が衰えてしまうと骨盤が後ろに傾き、内臓を支える腹筋などがゆるんで内臓が下垂します。さらに姿勢のバランスをとろうとしてあごや胸椎が前に突き出し、猫背になってしまい肩こりを誘発する原因となります。さらに、腰まわりの筋肉も弱まり、筋肉の代謝全体が悪くなって、内臓脂肪も皮下脂肪も溜まりやすい身体となってしまいます。歩行能力も低下し、つまずきや転倒の危険性が高くなります。



※高齢者に腸腰筋のトレーニングを行うことで歩行能力の改善が見込めます。

※若い女性は、運動不足のため腸腰筋が細くなり、それが冷え症や隠れ肥満の要因になっている可能性もあります。



■腸腰筋のトレーニング

・日常動作の中で階段上りを利用する。

・太ももを挙げて歩けば階段と同じ効果その場で太もも挙げを行う

(足首に重りをつけるとより負荷が増します。)

・仰向けの姿勢で膝を伸ばした状態で左右の脚を交互に上下させる

・仰向けの姿勢で膝を伸ばした状態で左右の脚を交互に骨盤を動かす要領で足裏で蹴り出す。



※腸腰筋が固くなっているケースでは、骨盤が前に傾き、脊柱の前湾がキツクなるため、要は反り腰になり腰痛を引き起こす原因になります。このケースではたいてい腹筋が弱く腰周りの筋肉が固いことが多いです。腹筋の強化と腰、腸腰筋のストレッチが有効です。



■腸腰筋のストレッチ

・片足を前に出し前後に開きます。

・前足の膝を曲げて両手をその膝の上につきます。

・後ろ足を伸ばして膝を地面につけます。



上記の動作で、大腿前面の大腿四頭筋及び、後ろ足の付け根辺り腸腰筋がストレッチされます。



腸腰筋の使い方にはまだまだ改良の余地があり、体の中心部、体幹の筋肉の使い方次第ではさらに上のレベルに到達できるはずですかく言う私もまだまだ使いきれておりませんが…



私の近い人でタップダンサーの中村弘子先生のダンスは、常に背筋は伸び、股関節、膝関節は軽く屈曲状態で体軸が安定した状態で腸腰筋をうまく使い大腿を引上げ細かく素早いステップを踏んでいました。これは体幹、股関節のインナーマッスルがうまく使えてい

ないとできません。(表面のアウターマッスルのみでは素早く細かい動きはできません。)私はタップダンスに関しては素人ですが体の使い方は大変参考になりました、この項の作成についてもご協力頂きました。



■腸腰筋を上手に使用している例(中村弘子先生)















■腸腰筋関連サイト

・楽楽のヘルニア&ウォーキングdeウォッチング(TOP・腸腰筋の記事)

・fitness.co.jp(TOP・腸腰筋の記事) |